1985/01/15 (1986/08/02劇場公開)
ドーバー海峡の大空中戦!

Story Guide

名探偵ホームズ第10話
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本日のお宝
記念切手 初の英仏間航空郵便を記念して作られた切手。
しかし本当の目的は、航空郵便事業自体を中止させることで、
記念切手の高騰を狙っていた。

ゲストキャラクター
トミー
(納谷六郎)
郵便飛行機を操縦するパイロット。
ハドソン夫人とは昔の飛行機仲間。
伯爵
(松村康雄)
ハドソン夫人の昔なじみ。
車で街道を爆走するのが趣味。
ワトソン曰く「暴走ジジイ」。

作品スタッフなど
監督 御厨恭輔
脚本 片渕須直
絵コンテ 宮崎駿
演出 宮崎駿
作画監督 友永和秀
英題(仮題) THE WHITE CLIFFS OF DOVER(ドーバーの白い崖)
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▼あらすじ

ロンドン−パリ間を飛ぶ郵便飛行機の事故が続いていた。

ある朝、いつものように花壇の花に水やりをしていたミセス・ハドソンの頭上を、
超低空飛行で飛んでいく一機の飛行機。そのまま失速し、ベーカー街に墜落する。
危機一髪のところでパイロットを救出したハドソンだが、そのまま気を失ってしまう・・・。

パイロットの名はトミー。
郵便飛行機のパイロットであり、ハドソンとその夫・ジムの飛行機仲間であった。
先ほどの事故は、ハドソンの辛い思い出を甦らせてしまったのだ。

トミーの言葉から、何者かが郵便飛行を妨害しようとしていることを知ったホームズは、
ワトソンそしてハドソンと共に飛行場へと向かう。


▼本日のあれこれ。

メカ本日のクラシック・メカ *********
郵便飛行機 ロンドン−パリ間を飛行する郵便輸送用の飛行機。
パイロットのトミーは、ハドソン夫人の知人。
モリアーティにその飛行を妨害され、複数機あった飛行機もついに1機となってしまった。
クラシックカー ハドソン夫人の知人の伯爵(暴走ジジイ)が運転する車。
モリアーティに狙われている郵便機を追いかけるため、ハドソン夫人に貸す。
プテラノドン 翼竜プテラノドンをモデルにした飛行機。
ボディカラーはピンク。胴体部にエンジン、頭部にプロペラを実装。翼は予算節約&軽量化のため紙製。本作では頭部に「2」の文字が見られることより、2号機だと思われる。
ドーバー海峡付近にて、ハドソン夫人が撃った弾丸によりエンジン部が破損、
ニトログリセリンにより爆発・大破した。
自転車 スマイリー所有のピンク色の自転車。
離陸した郵便飛行機を追いかけるため、ホームズが一輪車状態で爆走。

変装本日の変装 ****************
スマイリー ハドソン夫人に変装。
飛行場で寝ずの見張りをするホームズとワトソンをおびき出すため、
モリアーティ(人形)に襲われているように見せかけた。

料理本日の手料理 **************
ダボハゼのムニエル トッドがモリアーティ教授のためにつくった食事。
飛行場の裏の川でとった魚を使用。
コイのムニエル トッドがモリアーティ教授のためにつくった食事。
公園でとった鯉を使用。

実験本日の実験 ****************
なし  


▼名!迷?セリフ集

「エキサイティング!!」(モリアーティ)
ホームズの眼前でニトログリセリンを1滴垂らした感想。
 ちなみにニトログリセリンとは、ダイナマイトや無煙火薬の原料となる、爆発しやすい無色の油状液体。
 1846年、イタリア人化学者ソブレロによって初めて合成され、1865年にはノーベルによって実用化。
 本作の時代設定(19世紀末)には、ニトログリセリンもダイナマイトも存在していたんですね。
 ホームズ曰く「古い手」で、モリアーティ曰く「芸術的で確実な手」だそうです。

「しゃべると舌をかみます!」(ハドソン夫人)
ホームズを乗せたまま再浮上してしまった郵便機を追いかけるため、ハドソン夫人自らが運転。
  普段のおしとやかな彼女からは想像できない凛々しさに、思わず「カッコイイ〜!」

「あのね〜、僕ニトロの隠し場所知ってるよ〜。でも怒られるから教えな〜い!」(スマイリー)
緊迫した状況なのに、この一言で随分と場が和みます。
  小さな子供でも安心して見られる作品づくりは、こういうワンシーンにも表れているのですね。

「マリー、一生のお願い。その車、貸してくださらない?」(ハドソン夫人)
暴走ジジイ同様、「どうぞ、どうぞ!喜んで!!」と思う男性は多いことでしょう(笑)
  ちなみにハドソン夫人の運転は「oh!ダイナミック!」(by伯爵)なテクニックです。


▼みどころピックアップ!

救出
ベーカー街に落下してくる1機の飛行機をみたハドソン夫人。その迅速な救出劇に、ホームズ&ワトソンも唖然。
  ハドソン夫人のことを「マリー」と呼び捨てするパイロット(トミー)に対して
  嫉妬(?)の眼差しを向けたり、ちゃっかり飛行機の尾翼で仕返しをするホームズがナイスです(笑)
  原作のホームズとはまったく違う人物像ですが、アニメ版のこうした人物設定は人間味あふれる
  もうひとつのシャーロック・ホームズ像を作り出したという点で、意味があったのではないでしょうか。

ハドソン夫人の過去
昔の飛行機仲間・トミーによって明かされる過去。
  気心のしれた仲間たちの前から姿を消したり、ホームズもワトソンもそのことを知らなかったところをみると、
  辛い思い出を自分の心の中に押し込めていたのでしょう。
  亡き夫・ジムの姿は、初期デザインのホームズのそれに似ています。

ワトソンの受難
ホームズのパイプで縄を切ろうとするけど・・・、これはさすがに熱い!!
  拷問を受けているかのようなワトソンの表情に注目。
  普段めったに見られないワトソンの首も見ることができます(笑)

大空中戦!!
飛行機の翼に隠したニトログリセリンがホームズに発見され、「完全犯罪」から「実力行使」に移ったモリアーティ。
 飛行機を引きちぎろうと襲ってくるイカリ。
 それに立ち向かうホームズのキック力の素晴しさといったら!も〜カッコイイ!
 にも関わらず、靴を奪われたときの「なんですかっ」という台詞と表情。も〜カワイイ!
 このギャップがホームズ人気の一部なのかもしれません。
 さらにハドソン夫人の銃撃シーン。これまたカッコイイ!
 モリアーティ一味の去り際が、最後の笑いを誘います。膝を抱えながらバイバイするスマイリーがカワイイ♪
 ラストは、ドーバー海峡に落ちそうになる車。観る側のハラハラ感を増す間の取り方が素晴しいです。


▼次回予告

大金持ちギルモアから捜査を依頼され、大工場の連なるその谷を訪れたホームズと私は、
ギルモアの成金趣味にウンザリしながらも無くなったソベリン金貨の謎に挑む!
君のまわりで何か事件が起こったら、ベーカー街まで知らせてくれたまえ。


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