深読みやムダ知識、独自の解釈など。ファン以外はどうでもいいコトを好き勝手に放り込みました。

■懸賞金500ギニーの価値

第5話「青い紅玉」で、盗まれた宝石にかけられた懸賞金500ギニー。
作品中でワトソンが「500ギニー、そりゃ大金だ」と言っていることから、当時でも高額金だったと想像できます。

では、現在の貨幣価値に直すとどのくらいの金額になるのでしょう??


▼通貨単位「ギニー」

まず通貨単位をギニーからポンドに変換します。
(つい先日まで情報処理の試験勉強をしていたので、単位とか変換とか試験用語(?)が頻出です(笑))

1ギニー=21シリング なので、
500ギニー=10500シリング です。

さらに、1ポンド=20シリング なので
10500シリング ÷ 20 = 525ポンド。

つまり、500ギニー=525ポンド となります。

::: 雑学?!様々な通貨単位 :::
中世〜近代にかけて、イギリスでは様々な通貨単位が使われていました。
「ポンド」「ペニー(複数形はペンス)」は今でも使われているので、おなじみですね。
これ以外に「シリング」「クラウン」、そして「ギニー」も併用されていたそうです。
こんなにあると覚えるだけでも頭がパンクしそうです(笑)

このように複雑な通貨単位は、1971年、10進法移行に伴い廃止されました。
現在では1ポンド=100ペンスで計算されています。


▼19世紀末の日本の貨幣価値は?

2004年10月時点では、1ポンド=195円前後となっています。
195円/ポンドで計算すると、
500ギニー=525ポンド=102,375円。

10万円は確かに大金ですが、懸賞金として考えるとちょっと安いような気もします。(私だけ??)

では「名探偵ホームズ」の時代、19世紀末の日本の貨幣価値と比較すれば
当時の500ギニーがどの程度の「大金」だったのかがわかるはず。

明治中期(1885〜1895年)ころの給料は以下のような金額だったと言われています。

小学校職員の初任給:月収8円
東京府知事:月収333円、年収4000円 (「東京都」になったのは1943年。案外最近なんですね〜)

桁間違いじゃないですよ!ゼロの書き忘れでもありませんよ!
いくら知事職が魅力的だからといって、月300円じゃ石原さんも立候補なんてしませんよ!(笑)

現在の小学校職員の初任給が20万円程度だとすると、単純計算で2.5万倍!!
全国47都道府県の知事の平均年収は2100万円なので、これでも0.5万倍になります!


▼現在の日本の価値にすると・・・

19世紀末の為替レートは1ポンド=5円くらいだったそうなので、
525ポンド=2,625円。

これを現在の価値にするため、2.5万倍すると・・・

65,625,000円。6500万ですよ、ロクセンゴヒャクマン!!!
自分で計算しておいて、あまりもの高額にビックリしています(笑)

平均値を取るため、0.5万倍の方も確認しておきましょう。
2,625円×0.5万=13,125,000円。1000万円強といったところでしょうか。

平均すると3500万円。
単純に平均すればいいというものではありませんが、金銭価値はなんとなく実感できるかと思います。

世界でただひとつの宝石にかける懸賞金として考えれば、妥当な金額かもしれませんが
「青いルビー」=「サファイア」ですから、”世界でただひとつ”という付加価値がどれだけあるのか
私にはわかりません(笑)

これだけの大金があれば、ポリィは一生楽に生活できたのではないでしょうか?
大金におぼれてポリィが人の道を踏み外した・・・なんてことはないでしょうけど。。。
もし本当にそうなっていたらホームズの責任?!・・・飛躍しすぎですね、スミマセ〜ン(^^;


▼絵コンテ集に正解が?!

実は、名探偵ホームズ・宮崎6作品の絵コンテを収録した『スタジオジブリ絵コンテ全集第二期 名探偵ホームズ』で
500ギニーの価値について記述されている部分があるのです!

「青い紅玉」Aパート・カットNo88にはこう記されています。

500ギニーは1000万円位です

そのものズバリです。
絵コンテを描いている宮崎さん本人の記述。正解はこれです。
じゃあ今まで計算してきた私の苦労は一体??(笑)

ただしこの作品が制作されたのは1980年代前半。
現在(2004年)と比較して、物価価値にどれくらい開きがあるかを最後に確認しておいた方が良さそうです。

20年以上前と今の物価を比較するにあたり、「ドラえもん」単行本の定価を例にします。
どうでもいいことですが、比較ネタを探すのに30分もかかりました(笑)
ですから「どうしてドラえもん??」などと質問はしないでください(^^;

1980年(昭和55年)初版の『ドラえもん 第18巻』は、定価320円。
この本が、2004年(平成16年)では定価410円で売られています。

つまり定価は・・・ 410円÷320円=1.28倍。
1000万円を1.28倍して、1280万円!

::: 結論。 :::
懸賞金500ギニーは、現在の価値にすると1300万円くらい。
ただしこの結論は私が勝手に出した結論です。鵜呑みにしないようにお願いしますね(笑)


▼おまけ?ホームズとワトソンの金銭感覚

冒頭でも触れたとおり、ワトソンが「500ギニー、そりゃ大金だ」と言うシーンがあります。
その言い方や表情からみると現在の価値で数百万程度なのかと私は勝手に思っていました。

しかし計算してみてどうでしょう!?
もっと驚いてもよさそうな気がしますが・・・。
ホームズやワトソンにしてみたらそれほど驚く金額じゃなかったのでしょうかねぇ。

宝石を取り戻したら懸賞金をもらえる。しかも犯人はあのモリアーティだとわかっている。
こんなオイシイ話でウン千万円もらえるなら、私は喜んで引き受けます♪

原作の「プライオリ・スクール」という作品をご存知ですか?
ホームズが依頼主に報奨金として一人6,000ポンドを要求するシーンがあります。
もちろんワトソンもその場にいるので(笑)、合計12,000ポンド(!)の小切手を手に入れるのです。

ひとつの事件の解決で、こんな大金を手にしたホームズとワトソン!
この時の金銭感覚だったら500ギニーなんて驚くに値しないのかもしれませんね(^^;


参考サイト: コインの散歩道

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